書籍紹介 【日本製鉄の転生 巨艦はいかに甦ったか】

読書

こんにちは。さわらインターネットです🌸 

今日は「日本製鉄の転生 巨艦はいかに甦ったか」を読んでみたので

その紹介をしたいと思います。

ちなみに私は日本製鉄ホルダーなので、これはほぼポジトークですね。

24年4月20日現在、薄氷のプラス

自分の銘柄選択を正当化するために読んでみました。

かなりボリュームのある内容だったのと、私の知識不足のため、

各情報が果たして業績に対してプラスなのかマイナスなのかは判断しかねますが、

個人的に気になった部分をまとめていこうと思います。

◆日本製鉄ってどんな会社?

皆さん、そもそも日本製鉄って知っていますか?

なんか製鉄会社といえば新日鉄とか住友金属とか聞いたことある方はいらっしゃるのでは?

その新日本製鉄と住友金属工業などの経営統合により

2019年から日本製鉄(株)に社名変更して今に至ります。

北は室蘭、南は八幡・大分と日本各地に特色を持つ製鉄所を有した

日本最大の粗鋼生産量を誇る企業です。

川口春奈さんのCMでお馴染み。電車内広告とかでよく見ます。かわいいね。

◆”甦った”って、どゆこと?

本書のタイトルにある”巨艦はいかにして甦ったか”

「え?日本トップの企業なのに甦ったってどうゆうこと?」と本書を手に取る前は思ってました。

読んでびっくり、この会社、2020年の最終損益は4300億円の赤字を計上しています。

4000億の赤字なんて何したら起こるんだよ、、、楽〇モバイルかよ、、、

まぁ当然このまま倒産になんか至らないわけで。

ここからのV字逆転劇を記したのが本書になります。

えぐいV字。20年がなんだったのかというレベル。

◆5つの高炉削減、32ラインの休止を講じた改革

高炉っていうのは、鉄の原材料である鉄鉱石とコークスを高温で反応させて

溶けた鉄(銑鉄っていうらしい)の状態にする、製鉄の最上流に当たる工程です。

当時、国内には15基の高炉があったのですが、これを5基削減されました。

また、製鉄の下流工程を含む製造ラインを32も休止し、設備のスリム化を図りました。

もちろんこれによりライン工の方や保守の方は職を失うことになり、

約20%の人員削減を行っています。

社員からの反発は勿論のこと、工場を縮小するとその地域の税収にも影響あるため

各自治体からも猛反発を受けたとのことですが、これを敢行。

約1500億円の削減につなげます。

2000年当時、倒産しかかった日産自動車をカルロスゴーンが村山工場の閉鎖などをやったように

一度赤字転落した企業は血を伴なわない改革というのは厳しいんですね…

ちな私の会社が人員削減するよって言ったら私はいの一番に手を挙げますね。

◆適正価格取引の交渉と値上げ

鉄ってそこかしこにありますよね。

自動車なんかほぼ鉄の塊だし、ビルや地下鉄など、あらゆるものに超大量の鉄が使われています。

この鉄が供給されないと産業が止まってしまうほどの大打撃です。

その重要性もあって、鉄鋼業界は「供給責任第一」が至上命題になっていました。

とにかく企業へ鉄を供給することが第一、価格は二の次となっていたのが鉄鋼業界の常識で、

そのせいもあってか、なんと価格交渉のタイミングは鉄を企業へ納入した後。

いかに供給最優先で動いているかが伺えますね。

そのため価格が決まらないまま納入をしなければならず、収益管理ができない状態にありました。

ここにメスを入れたのが日本製鉄。最大供給先である各社自動車メーカーへの交渉を行い

価格の「先決め」を勝ち取りました。

また、これに併せて「適正価格への値上げ」も行いました。

当然納入先メーカーからは拒まれたそうですが「それでは供給できない!!という

鉄の意志(←鉄鋼メーカーだけに)で断固値上げの構えを崩さず、

各メーカーから値上げを勝ち取りました。

こんな強気で出てくれる上司とか最高ですよね。うちの上司は外へはペコペコで

内へは強気に出てきます。希望退職あったら迷わず手を挙げますよ私は。

◆M&Aによるグローバル拡大、そしてその先へ

最近の日本製鉄の話題といえば、米国大手鉄鋼メーカー USスチールの買収。

バイデン大統領やトランプ氏も猛烈に反対しており、前途多難ですが、

これまでにも日本製鉄は大きなM&Aを手掛けてきました。

そもそも日本製鉄の変遷としても合併を繰り返してきましたからね。もはやお家芸か。

直近では2019年にインドの製鉄メーカ エッサールを共同買収、

そのほかにもスウェーデンやタイなどでも投資を行い世界各国に拠点を持っています。

日本製鉄が海外に大拠点に次々と投資する理由は、言わずもがなの間接費削減です。

製鉄メーカの一番のネックは輸送費などの間接費。

納入先が遠ければ遠いほど、馬鹿デカい鉄のロールを運ぶのにお金がかかります。

そこで、各国に一貫生産(鉄鉱石から製鉄までを行える)工場を

世界中に持つことは非常に合理的と言えます。

その次の一手がUSスチールということです。

がんばれ日本製鉄!負けるな日本製鉄!いくら出しても買え!買うんだ!

買えーーーー!

◆日本製鉄はいかに甦ったか

ここまでいろいろ書いてきましたが、まとめると

●採算の取れない工場・高炉の閉鎖によるコストカット
●納入先との交渉による値上げの獲得
●M&Aによる世界各国での一貫生産拠点への投資

によって日本製鉄は甦ったといえます。

この他にも、書籍内には社内の意識改革や今後主力製品になっていく

高級材”ハイテン”のエピソードなどが描かれています。

日本製鉄ホルダーの皆さんはぜひ読んでみて

「あ、やっぱり日本製鉄に投資してよかった」と

精神安定剤としてみるのはいかがでしょうか?

そして直近の日本製鉄の日足チャートがこちら!!

ん?

投資は自己判断で!!

それでは、本日もお付き合いいただきありがとうございました。

さわら

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